不動産の所有者が死亡し、相続が開始すると、その相続人に所有権が移転するので、不動産について相続人の名義にするため相続登記の手続きが必要になります。
相続登記は、いつまでにしなければならないという決まりはありませんが、所有権移転登記をしておかないとその不動産を売ったり、担保に入れて金融機関からお金を借りることはできません。また、長期間相続登記しないままでいた場合に、相続人にさらに相続が発生するなどして、 遺産分割協議に加わる人の数が増え、協議がまとまりにくくなることがあります。
相続が発生した場合にはなるべく早いうちに相続登記を済ませることをおすすめします。
※登記簿上の住所と死亡時の住所が異なる場合戸籍の附票も必要
遺言の代表的なものとしては、『自筆証書遺言』と『公正証書遺言』があります。
紙と筆記用具と封筒と印鑑を用意するだけですることができ、遺言の方法の中ではもっとも簡単な方法です
証人2人以上の立会いのもと遺言者が公証人に遺言内容を口述し、それを公証人が遺言書にする方法。遺言書の原本が公証役場に保管されるので改ざん・紛失の恐れがないので、費用がかかりますが最も安全な遺言方法です。
遺言による財産の処分は、無制限な自由が認められているわけではありません。
相続人の利益保護の観点から、相続人が配偶者・子・直系尊属である場合には、遺言による指定に関わらず、相続財産の一定割合について必ずこれらの相続人に相続させることとなっています。ただし、兄弟姉妹にはこのような規定はありません。
このように配偶者・子・直系尊属に相続される一定割合の相続財産を遺留分といい、この遺留分を有する者を遣留分権利者といいます。
被相続人が遺留分を超えて財産を処分した場合には、その処分行為自体が当然に無効となるのではなく、遺留分権利者がその侵害された部分の財産を取り戻すことができるにとどまります(民法1031条)。これを遺留分の減殺請求といいます。
減殺請求の方法は、被相続人の財産処分により財産を得た相手方に対して内容証明郵便等により減殺の意思表示をすればよく、訴訟の方法による必要はありません。また、相手方の承諾は必要ではなく、遺留分権利者の意思表示によって効力が生じます。